4月15日(月) ことばの贈物
ー明日は、明日はと言って見たところで、そんな明日はいつまで待っても来やしない。今日はまた、またたく間に通り過ぎる。過去こそ真だ。(島村藤村/夜明け前)
ー人間というものは、ふだんから目の前にあるものよりも、過ぎ去ったもの、なくなったものに、あやしいまでの愛着を持つものである。(挑戦短編小説選)
ー人間は、努力をする限り、迷うものだ。(ゲーテ/ファウスト)
ー人間は、欲に、手足の付いたる、物そかし。(井原西鶴/好色二大男)
ー女ちうもんは、気の毒なもんじゃ。女は男の気持ちになっていたわってくれるが、男は女の気持ちになってかわいがる者がめったにないけえのう。とにかく女だけはいたわってあげなされ。かけた情は忘れるもんじゃァない。(宮本常一/忘れられた日本人)
ー執着やねたみや憎しみのあるところには、やがてそれをこやしとして愛というものが咲き出るのかもしれません。(伊藤整/変容)
ー明日を最も必要としない者が、最も快く明日に立ち会う(エピクロス)
ーたいていの男は意気地なしね、いざとなると。(夏目漱石/行人)
ー才能を疑いだすのがまさしく才能のあかしなんだよ。(ホフマン短篇集)
ー人を不幸にするのはよいが、その絶叫は聞きたくないというのが人情だ。(ヴォルテール/ルイ十四世の世紀)
ー女のいうことはくだらねえ、けんど、そいつを聴かねえ男は正気でねえ(セルバンテス/ドンキホーテ)
ー酒をのめ、それこそ永遠の生命だ、また青春の唯一の効果(しるし)だ。花と酒、君も浮かれる春の季節に、たのしめ一瞬を、それこそ真の人生だ!(オマル・ハイヤーム/ルバイヤート)
ー「女性というのは、銀の皿だよ」と彼は言った。「そこへ、われわれ男性が金の林檎をのせるのさ。」(エッカーマン/ゲーテとの会話)
ー過ぎてかえらぬ不幸をくやむのは、更に不幸を招く近道だ。(シェイクスピア/オセロウ)
ーどうして君は他人の報告を信じるばかりで自分の眼で観察したり見たりしなかったのですか。(ガリレオ・ガリレイ/天文対話)