大福成長日記

本を読んで心に残った言葉を書いたり、知ったことをまとめたり…

5月8日(水) パン用語

 

釜伸び:生地が急に膨らみボリュームが大きくなること。

 

クープ:釜入れの直前に生地の表面にナイフで切り目をいれること。表面にできる亀裂が整って、見た目がよくなる。火の通りもよくなり、ボリュームが出る。

 

クラスト:皮。パンの外側の硬くて焼き色が付いた部分。食パンなら耳。

 

すだち:パンをスライスした断面に見える気泡の跡。

 

リッチ:パンのタイプを表現するときに使う言葉。パンの材料にバター、砂糖、卵。乳製品などを多く配合して作ったパン。クロワッサン、ブリオッシュ、デニッシュなどがある。

 

リーン:パンの材料がシンプルなこと。粉、パン酵母、塩、水を混ぜ合わせたバゲットライ麦パンなどをさす。

 

ハード:クリストがバリバリとした硬い食感のあるバゲットのようなパンをハード系。

 

ソフト:口溶けがよく、ソフトな食感のパン。砂糖、バターなどが多く配合されたリッチなパン。

 

火膨れ:冷凍あるいは冷蔵障害をうけた生地を焼成した際に、パン表面に気泡の膜が焼けて斑点のように見える現象。

 

老化:パサついて硬くもろくなる現象。油脂や砂糖を多く配合したパンは老化が遅い。冷蔵庫の(5℃)は最大に老化が進む。

 

ホワイトライン:食パンの上の角の白いライン。5mm程度のホワイトラインが品質として良いと言われている。

 

ルヴァン:フランス語で発酵種という意味。主に小麦粉やライ麦粉、りんご、ぶどうなどを水で混ぜてつくる。ルヴァンを用いたパンをパン・オ・ルヴァンと呼ばれる。

 

ケービング(腰折れ):焼成後のパンの側面が内側にへこんでいる状態。焼成後型に入ったまま高い位置から落とすなどして衝撃を与えることが対策。

 

こし:生地の弾力のこと。高さがあるパンを腰高のパンという表現という。

 

しまる↔ダレる:生地の弾力性が高まった状態のことを生地が「しまる」といい、弱い生地はダレるという。

 

ベーカーズパーセント:レシピの材料はg単位だが、配合中の粉の重量を100%とする。粉以外の材料は粉に対する割合(%)で示すのが一般的。

 

ppm:"parts per million"の頭文字をとったもの。100万分の1のこと。

 

捏上温度:捏ね上げ直後の生地の温度。

 

焼減率:焼成ロスともいう。パン生地重量が焼成中に減少する割合。

 

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製パン法

 

中種法:生地を作る前段階で、材料中の小麦粉、水、パン酵母を捏ねて約3-4時間発酵させたものを残りの材料とミキシングしてつくる製法。きめ細かくボリュームのあるパンのに焼き上がる。中種として発酵させているので、香り、風味が豊かになる。中種法はストレート法より時間と手間がかかるが、老化も遅くソフトな食感になる。大量生産する工場で利用されている。

 

直捏法:すべての材料を一度にミキシングする製法。小麦の製法を生かし、弾力がありもっちりとしたかみ応えのある食感になる。原材料の個性がパンに表れやすいが、中種法に比べて老化しやすい。家庭でのパンはこの製法が多い。ストレート法ともいう。

 

冷蔵中種法:中種法の一種。前日につくった中種を一晩かけて冷蔵庫で低温発酵させ、本捏から始める方法。パン酵母の活動が低下しているので安定性がある。パンの香りや酸味がマイルドになる。(オーバーナイト中種法)

 

ノータイム法:ストレート法の一種。製パンにかける時間を大幅に短縮するために、発酵時間を0-30分にする。ストレート法に比べ、クラムのきめが細かく軽くソフトな食感になる。発酵による香りや風味が乏しく、原材料臭が強くなる。

 

加糖中種法:砂糖の一部を中種に加えて発酵させる製法。日本の菓子パンに多く用いられる。使用する砂糖の5%を中種に配合する。

 

小麦粉液種法:発酵種に同量の粉と水を加えポーリッシュ種を作ってから、残りの材料をミキシングする製法。ポーランドから伝わったため、ポーリッシュ法と呼ばれる。中種に似た効果があるので、パンの食感を軽くしたり、発酵臭が強くなる特徴がある。

 

湯種法:小麦粉の一部を熟湯で捏ねて、でんぷんを糊化させたもの。これをパン生地に加えることによって、通常のパン以上にでんぷん糊化度を高めるため、パンがしっとり、もっちりした食感、そして甘みが高まるなどの特徴がある。

 

発酵種:生地を作る前段階で、材料中の一部を使って発酵種を作り、それを残りの材料とミキシングして生地を仕上げる製法の総称。天然酵母という言い方が主流。

 

サワー種:生地をつくる前段階で、酵母・乳酸菌を豊富に含んだ初種を起こし、それをもとに生地を作る方法。英語のSourdough(サワードウ)からきている。乳酸菌の活性が高いため、酸味と独特の風味がある。ヨーロッパに多い。

 

初種:サワー種に有効な酵母、乳酸菌などを増殖させたもの。元種、起こし種、スターターともいう。

 

種起こし:生地を作る前段階で製パンに有効な酵母、乳酸菌などを培養して発酵種を作ること。温度管理など難しく手間がかかる。

 

種継ぎ:古くなった発酵種に小麦粉、水、塩などを加えて、酵母が活動できる状態にして培養すること。

 

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「粉」

 

超強力粉:たんぱく質の質が異なり、極めて強靱。

 

強力粉:たんぱく質含有量が多く、パンの材料として最も一般的。

 

準強力粉:フランスパンなどの欧風パンに適している。カリッと香ばしく、軽い食感になる。

 

中力粉:たんぱく質含有量が9%前後の小麦粉。うどんなどにも使われ、地粉、うどん粉ともいわれる。

 

薄力粉:小麦粉の中で最もたんぱく質含有量が少ない。製菓に利用される。強力粉などと混ぜてパンをつくるとソフトな食感になる。

 

全粒粉:小麦全粒粉を指すことが多い。通常は外皮、胚芽を取り除き、胚乳のみ使うが、丸ごと挽いた粉。そのため、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富。

 

グラハム粉:全粒粉の一種。胚乳と表皮、胚芽に分けて、胚乳は細かく、残りは粗挽きし、その両方を合わせたもの。ざらざらした食感という特徴がある。1829年にシルベスター・グラハム氏が発明したことに由来した名前。

 

小麦胚芽:胚芽(小麦の2%)部分を挽いた粉。VB1、VEを豊富に含む。これを混ぜて作ったパンは香ばしく、つぶつぶ感が味わえる。

 

ふすま:小麦の外皮の部分。(英語:bran)食物繊維、鉄分、マグネシウムなどのミネラルが多い。

 

グルテン:小麦粉に水を加えてこねるとでてくる弾力性と粘着性。グルテンが膜をつくりパン酵母の発酵で生成した炭酸ガスによってパン生地が伸びて膨らむ。

 

セモリナ粉:デュラム小麦を粗く挽いた粉。パスタ、クスクスの原料。パン用に製粉したものもあり、黄色味を帯びた歯切れの良い食感になる。

 

とうもろこし粉:とうもろこしの皮と胚芽を取り除き、胚乳のみを粉砕したもの。粉粒の大きいものから、コーングリッツコーンミールコーンフラワーなどの区別がされる。トルティーヤ、ポレンタ、コーンブレッドなどがある。

 

ライ麦粉:ライ麦を挽いてできた粉。小麦が生育しにくい冷涼地での栽培に適していて、北欧、ロシア、ドイツなどではポピュラー。代表的なものに北欧のハパンリンプ、ドイツのブルパニッケル、ロシアの黒パンなどがある。小麦粉のようにグルテンを形成しないが、粘性の強いグロブリンを含むため、生地が膨らまずずっしりと思いパンになる。サワー種などで生地の酸度を高めると、弾力が高まり膨らみやすくなる。

 

燕麦(えんばく):オートともいう。平たく押しつぶしたもの(オートミール)を使用する。

 

米粉:製パンの際にはグルテンが添加されたもので作ることが多い。発酵時間が短くて作れ、もちもちした食感が特徴。

 

内麦:国産小麦のこと。国内の小麦は中力粉タイプが多く、膨らみが少ないがもちもちした食感になる。

 

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イースト(パン酵母)」

イーストは材料に含まれる糖質を栄養分として、炭酸ガスエステルなどの香気成分を生成する。これがパンのふっくら感、焼き上がりの香り、食感に関係する。

 

イースト:パン用の酵母を純粋培養して圧縮したもの。1gあたり約100億個の酵母が含まれている。使用するときは手でほぐして粉に直接加えるか、仕込み水の一部に溶かして使う。砂糖が多く配合された菓子パンに使われることが多い。

 

ドライイースト:生イーストを低温で乾燥させて顆粒にしたもの。パンの風味がよくなり、バゲットなどのリーン系に使われる。生イーストの1/2の量でよい。使う前にぬるま湯で水分を吸収させる必要がある。風味が芳醇になる特徴がある。

 

インスタントドライイーストドライイーストの一種で、予備発酵がいらないため、短時間でパン作りができる。生イーストの1/3量でよい。ドライイーストより発酵力が強く、パンの香り、風味が軽く、あっさりしたものになる。

 

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「砂糖」

パンに甘みを加えたり、焼色をつける働きがある。またパン酵母の栄養分になり発酵を促す役割もある。

 

上白糖:水に溶けやすく保湿性があるので、パン生地がしっとりソフトになる。

 

ラニュー糖:あっさりとくせのない甘みで素材の香りや風味を損ねない。

 

三温糖:製造過程で数回加熱して結晶化させているので薄茶色だが、ミネラルが多いなどということはない。

 

粉糖:グラニュー糖を微粉末にしたもの。

 

蜂蜜:パンをしっとり仕上げたり、蜂蜜特有の甘みを加えるときに使う。

 

モルト麦芽エキスのことで、粉末とシロップがある。フランスパンなどを作る際に使用することで、パン酵母の栄養源になって発酵を促進する。色艶のよいクラストになる。

 

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「油脂」

パン生地の伸びをよくする働きがあり、コクを与えたり、香りや独特の風味を出す。

 

バター:乳酸菌発酵させたクリームから作る発酵バターと発酵させない非発酵バターがある。日本では後者が一般的だが、ヨーロッパでは発酵バターが主流。製パンには主に無塩バターが使われる。

 

ショートニング:無味無臭の加工油脂。サクッと軽い食感のパンになる。

 

マーガリン:原料は植物性油脂。バターよりあっさり仕上げたいときに使用する。

 

ラード:豚の脂を原料とする。100%豚油の純製ラードと、豚脂に牛脂やパーム油などを加えた調整ラードの2種がある。ラード独特の重めの仕上がりになる。

 

オリーブオイル:独特の香り、風味が特徴で、フォカッチャなどイタリアのパンに使われる。

 

サラダ油:オリーブオイルよりクセがなく仕上がる。

 

折り込み油脂:デニッシュ、クロワッサン、パイなどに用いる板状に成型された油脂。生地に層をつくり食べたときのサクサク感を出す。

 

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「乳製品」

パン生地に水分や風味を与え、きれいな焼き色をつける役割がある。

 

牛乳:水の代わりに使うと、生地が締まりすぎる可能性がある。

 

脱脂粉乳:牛乳から脂肪分を除いて濃縮し粉末にしたもの。スキムミルクともいう。

 

練乳:牛乳を濃縮したエバミルクと、砂糖を加えて濃縮したコンデンスミルクがある。

 

生クリーム:乳脂肪分18%以上のもの。しっとり感がでて、風味豊かに仕上がる。

 

ヨーグルト:サワー種の生地に爽やかな酸味を加えるために、プレーンタイプがよく使われる。ヨーグルト種として発酵種の種起こしにも使われる。

 

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「水」

粉のたんぱく質からグルテンを形成するために必要なのが水。季節により水温を調節し、イースト菌が死滅する60℃以上にならないようにする。弱酸性の水を使うのがベスト。

 

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「塩」

グルテンを引き締め、コシを強くする。また、パンの味を引き締めて風味もよくする。塩を入れないと生地がべたついて発酵しすぎた状態になる。

 

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「ドライフルーツ」

そのまま、水で戻す、シロップ、ワインで煮るなど、前処理を行い製パンに用いる。

 

レーズン:水洗い、水切りを行ったあと、少なくとも一晩放置して、水分を内部へ浸透させたものを使用する。

 

デーツ:ナツメヤシの果実。

 

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乳化剤:食品の乳化を促す添加物。パンのソフト化、老化の遅延などの目的で使用される。

 

ビタミンC:酸化剤、膨張剤の一種でグルテンを強める働きがある。軽く、ボリュームのあるパンに仕上げる。

 

マジパン:アーモンドプードルと砂糖からできたもの。

 

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パン屋が使う道具・機械

 

シンペル:生地を発酵させるときに入れる籐製の籠。

 

バヌトン:フランスの大型パン生地を発酵させるときに入れる籠。

 

ピケローラー:生地が均一に膨らむよう、生地から余分なガスを逃すための穴を開ける器具。ローラーに突起がある。主にパイ生地や、ライ麦パン生地などに用いる。

 

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「パン屋・パンの呼び名」

 

ブーランジェリー:フランス語でパン屋。店で生地から焼成の工程をしていないとブーランジェリーと付けられない。

 

ベッカライ:ドイツ語でパン屋。

 

インストアベーカリー:スーパーなどの中にパン工房を併設した店のこと。生地から製パンするスクラッチベーカリーと、工場で作られた冷凍生地を用いるベイクオフベーカリーがある。

 

リテールベーカリー:製造と販売を同じ店で行っているお店。

 

ハース(直焼き):型や天板を使わず、釜の焼き床の上に直接生地を置いて焼くこと。この方法で焼いたパンをハースブレッドという。

 

カスクルートバゲットなど棒状のフランスパンに、チーズやハムをサンドしたもの。

 

クロックムッシュ:フランスで食べられているホットサンドの一種で、ハムやチーズをはさんだパンの両面をバターで焼いたもの。焼き上がりに上面にベシャメルソースをかけるのが一般的。上面に目玉焼きを載せたものがクロックマダムという。

 

パン・ペルデュ:フレンチトーストのこと

 

クイックブレッド:パン酵母を使わずBPや重曹などの膨張剤を使って膨らましたもの。蒸しパンやスコーン、コーンブレッドなどがある。

 

テーブルロール:食事のときに料理と一緒に提供される小型パンのこと。バターロールのようなソフト系の他に、カイザーゼンメルのようにハード系もある。

 

デニッシュ・ペストリー:英語でデンマークの菓子という意味。サクサクとした軽い食感が楽しめる。