大福成長日記

本を読んで心に残った言葉を書いたり、知ったことをまとめたり…

7月24日(水) 私は存在が空気

 

 

『少年ジャンパー』

ーゴールデンゲートブリッジ。うつくしく、荘厳で、世界的に有名な自殺の名所。その橋の入り口にはカウンセリングをすすめるプレートがはってある。飛び降りて着水するまでに4秒、時速にして120キロのスピードが出るという。水面にぶつかると全身骨折および内臓破裂などで死亡する率は98%。着水時に命があったとしても低い水温による低体温症でじきに死亡するという。確実に死ねる。だからその場所は人気が高い。富士山麓の樹海を抜いて世界一位の自殺の名所となっている。

 

『私は存在が空気』

ー空気に拡散していた私の身体性は、彼女の体温を感じているこの瞬間、いつもよりはっきりと輪郭をとりもどすのだ。

 

『恋する交差点』

ーきっと、何度でも、はなればなれになっても、おたがいをさがしだして、手をのばし、わたっていける。おなじことができる。だから、だいじょうぶだ。わたしたちはだいじょうぶなんだ。

 

『スモールライト・アドベンチャー

 

ファイアスターター湯川さん』

 

『サイキック人生』

 

 

 

(長編だと思って手に取ったため、短篇集だったことに拍子抜けした。表紙のいにお先生の描いた可愛い女の子が活躍するとばかり思っていた私は少し落胆。初めて中田永一という人の作品を読んだが・・・めちゃくちゃ読みやすい!そして面白い。なんだろう、感情移入しやすい、というか、キャラが生きている、というか、話が動いているんじゃなくてキャラが動いて話を作っている、ような感覚に陥る。漫画を読んでいるような感じ。あっという間に虜だ。タイトルを見ただけで、あぁ、あんな話だったな、とすぐ浮かぶようにストーリーどれもが印象深い。総じてどの登場人物にも不幸な境遇であるため、思わず応援したくなる、その後を見届けたくなる。今回の作品、超能力が軸となっていたのだが、大抵は異世界というか、現実離れしたような話になりがちなのに、超能力という異端なものを平穏な現実と繋げられていることが、読みやすさの所以だと思った。)