2月3日(月) 流浪の月/凪良ゆう
ーどちらが本当なんだろう。でも多分、事実なんてない。出来事にはそれぞれの解釈があるだけだ、泉ちゃんには泉ちゃんの、亮くんには亮くんの。わたしも同じだ。わたしが知っている文と、世間が知っている文は全然ちがう。その間でもがく。
ー世の中に『本物の愛』なんてどのくらいある?よく似ていて、でも少しちがうもののほうが多いんじゃない?みんなうっすら気づいていて、でもこれは本物じゃないからと捨てたりしない。本物なんてそう世の中に転がっていない。だから自分が手にしたものを愛と定めて、そこに殉じようと心を決める。それが結婚かもしれない。
ーひとりのほうがずっと楽に生きられる。それでも、やっぱりひとりは怖い。神様はどうしてわたしたちをこんなふうに作ったんだろう。