大福成長日記

本を読んで心に残った言葉を書いたり、知ったことをまとめたり…

6月24日(月) 夜をゆく飛行機

 

ー悪いとされることが良いことを運んでくる場合もあるし、良いと思ったことが不幸の入場券だったりすることもあるんじゃないか。不幸だ、とか、幸せだ、というのは、線ではなくて一瞬の点でしかなくて、その点が、どんな線を描き出すかはだれにもわからない。

 

ーだれかがいなくなるの、なんだかもうまっぴらだわ。

 

ー好意と恋はこんなにも遠く隔たったものなのか。

 

 

 

 

(平凡な酒屋の娘の話。平凡な日々の中で起こる変化、それによって失われていく安定していた生活。主人公の視点によって描かれる日々は、他の者の視点から描かれると、さも滑稽な些細な出来事なのだろう。人は誰しも非日常を望んでいるのかもしれない。しかし、非日常が毎日続くとやがては日常となる。飽きた、というのは安心しきっている、ということ。そしてその生活は突然、望んでもいないのに変わり始める。戻りたいと思っても、もう戻ることは出来ない。昔のままでいるなんて出来ない。自分は変わらなくても、周りが変わっていってしまう。そして、気がつくと自分も大人になっている。人は生活をすることで、知らなかったことを知る、物が増える、人と出会う。それに付随して、知りたくないことまで知ってしまう、物はいつか無くなってしまう、壊れてしまう、別れたくない人とも別れる時が来るかも知れない。でも、だからといって、生活を恐れてはいけない。そうした出来事を上手くこなしていきながら、生活していかなければいけない。なぜなら人は生き方を決められる自由を持つ唯一の生物なのだから。)