大福成長日記

本を読んで心に残った言葉を書いたり、知ったことをまとめたり…

6月4日(火) 女のいない男たち

 

ーなされなかった質問と、与えられなかった回答。

 

ー想像は鋭利な刃のように、時間をかけて容赦なく彼を切り刻んだ。

 

ー知ることによってのみ、人は強くなれる。

 

ー彼が持ち合わせていて、僕が持ち合わせてないものは、いくつかあったと思う。というかたぶん、たくさんあったんだろうと思う。でもそのうちのどれが彼女の気持ちを捉えたのか、そこまではわからない。僕らはそんな細かいピンポイントのレベルで行動しているわけじゃないから。人と人とが関わり合うというのは、とくに男と女が関わり合うというのは、なんていうか、もっと全体的な問題なんだ。もっと曖昧で、もっと身勝手で、もっと切ないことだ。

 

ー波紋が広がり終わったあとの池の水面のような表情だ。

 

「イエスタデイ」

 

ー元気の良いラブラドールレトリバーに踏みつけられた砂の城のように、あっけなく崩壊してしまう。

 

ーいっぺんこの辺で別々野道を歩んでみて、それでやっぱりお互いが必要だとわかったら、その時点でまた一緒になったらいい。そういう選択肢もありなんじゃないかと思ったりもするわけ。

 

ー人生とはそんなにつるっとした、ひっかかりのない、心地よいものであっていいのか、みたいな不安もおれの中になくはない。

 

 

「独立器官」

 

ーすべての女性には、嘘をつくための特別な独立器官のようなものが生まれつき具わっている。どんな嘘をどこでどのようにつくか、それは人によって少しずつ違う。しかしすべての女性はどこかの時点で必ず嘘をつくし、それも大事なことで嘘をつく。大事でないことでももちろん嘘はつくけれど、それはそれとして、いちばん大事なところで嘘をつくことをためらわない。そしてそのときほとんどの女性は顔色ひとつ、声音ひとつ変えない。なぜならそれは彼女でなはく、彼女に具わった独立器官が勝手におこなっていることだからだ。だからこそ嘘をつくことによって、彼女たちの美しい良心が痛んだり、安らかな眠りが損なわれたりするようなことは、まず起こらない。